2017/07/21

CSS Nite LP52 「ウェブサイト制作、手を動かす前に考えておくこと」レポート(前編)


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CSS Nite感想とレポートです。こっちは前編です。後編はこちらです。
私個人の意見や捉え方も入ります。また、伝えたい点に絞ってレポートしてます。戦略の話が多く、自分の作ってるものは「誰のためになぜ存在するのか」制作に関わる方々に是非興味を持っていただきたいです。

どんな会なのか

LPシリーズの52弾は 「ウェブサイト制作、手を動かす前に考えておくこと」をテーマに、制作以外の付加価値をどこにおくのか。また、どう見せていくのかについて考えます(企画背景)
イベントページより

3Cで強化するマーケティング施策
なぜ、あなたのウェブには戦略がないのか

権 成俊さん 株式会社ゴンウェブコンサルティング

ウェブサイトの価値は戦略で決まる。価値をデザインする。

  • 花屋のウェブサイトを作る時、女性が喜ぶとかカラフルとか、そんなイメージでデザインしても本質的ではない。
  • 誰に、何を伝えるためのデザインなのか、選ばれる理由をデザインしてあげないといけない。
  • ウェブサイトの価値は戦略で決まる。花屋のウェブサイトを作って欲しいと頼まれた時、どのようなサイトを考えるか。
  • 競合となる他サイトとの差別化を図り、お客様から選ばれるようにするためには、『誰に、何を』をまず考え、そのメッセージをデザインに落とし込む。
私の感想など

独自の強みもターゲットもない。「どこにでも当てはめられるコンセプト」とは「選ばれる理由がない」のと同じ。自社の分析というのは、他との差別化のために必須です。
例えば贈り物に特化した強みがあるなら「大切な人を祝いたい(でも花選びが苦手な)男性」に向けてもいいかも知れないし…。仮説では掘り下げられませんが。 普段から思っていた点がわかり易く目の前に広がりました。

権さんの3つのお仕事の事例(うち2つ抜粋)

  • 印鑑屋さん
    • 印鑑業界が衰退する中、開運印鑑は出産祝い、成人祝い、就職祝いなどの用途で、贈り物として使われ、想いがこもっている。その価値を印鑑以外で提供できないか。
    • 単なる印鑑ではなく想いを込めた贈り物として届けたいという相談を受けて始まった
    • 「名前」「想い」「印(デザイン)」の3つを揃えて想いを届けるというコンセプトを考えた。「名前」と「印」ではただの印鑑。「想い」と「印」ではメッセージカートなどになる。全部揃うから意味を見出せた。
    • 強みを引き出し、組み合わせて真価を引き出した。
    • 名印想というコンセプトを表したブランド名となり、サイトもコンセプトに基づいて設計された。
    • デザインも贈り物に絞込やシーン別LPの制作、CIページの作成などを行った。その結果、1年後にCVレートが2倍になった。
    • 伸びるとは思ったが、ここまで伸びるとは思ってなかった。「特定の誰かに強く刺さったから」この結果が出たと思う。
  • 漬物屋さん
    • 創業400年。日光に実店舗がある漬物屋さん。バブル崩壊後、継続的に売上が減少。漬物市場の縮小や観光客の減少も影響。
    • 400年も続いたということは、必ず何らかの価値や魅力が人々に受け入れられているはず。『何を変え、何を変えないか』を見極める必要があった。
    • 社長のこだわりを掘り下げる。漬物の作り方へのこだわり。時代に安易に流されない。毎日の朝食写真をブログにアップ。一汁一菜、和食への想い。それらから『贅沢ではないけれど、豊かな朝食』というコンセプトが明確になった。
    • 漬物屋から、朝食屋へ、戦略がコンセプトとなり、新しいビジョンが生まれた。
    • 切り口によって変わる漬物の色、透き通りかた。日本画のプロに依頼した絵がVIとなり、店舗の外壁やのれんに落とし込まれる。意思を外部に表した。
    • 1年で黒字化した。
    • 50時間のヒアリングと3か月の調査が目安。それぐらい話す時間を大切にしてる。
    • 「良くある綺麗なビジュアル」ではなく「ちゃんとコンセプトを念頭に置いた」写真を選ぶために撮影にも立ち会う。

印象に残った話

  • 分析(リサーチ・ヒアリング)」「戦略(強みをどうやって表すか)」「デザイン(形にする工程)」の3工程に分ける
  • 徹底してお客様を選ぶ(自分たちだけができることをやるため)
  • 決算書を見せてもらう(改善点がはっきり見えるため)
  • 見積りフェーズに時間をかける(お客様と自分のため)
  • 難しいと思うかもしれない。でも、何か本質に触れる取り組みを考えてみて欲しい
私の感想など

権さんのお話を受けて、「時間をかけて大切にする」ことを仕事の仕組み自体を改善して取り入れたいと思いました。急ぐ分失うものもやっぱりある。
「この仕事の形になった」のではなく、価値を出すために「この仕事の形を作った」のだろうなあ…すごいなあ…と想像しつつ、圧倒されっぱなし、勉強になることばかりの1時間でした。
「誰に、何をやるのか」を常に念頭に置いて良い仕事をしたいです。

コンテンツマーケティングで導く目的別の勝ちパターン

山中 モトオさん 株式会社マジメ

オウンドメディアのパターン3つについて

  • 検索型
    • ヒットワードから逆算して考える。世間の細かいニーズを分析してコンテンツを組みたてる。
    • 共感を得る事を目的とした「BtoB」「新サービス」な どの業種に向いていている。
  • ソーシャル型
    • TwitterやFacebookなどのSNSで拡散され、興味関心から共感を得られるようにコンテンツを組みたてる。
    • 共感を得る事を目的とした「BtoB」「新サービス」な どの業種に向いている。
  • ブランド型。
    • ある意味、コンテンツマーケティングの王道。ブランドの指名検索数とエンゲージメントの向上を目指す。ある一定のポジションを確立している企業が、ユーザーとの距離を近づけるために行うケースなどがある。
    • ブランド力を保持しているメーカーなどに向いている。

調査型、取材型、タレント型など、実例に触れたお話(うち二つ抜粋)

  • 取材型
    • 実際に社内のライターが取材に行く。
    • 各社の比較記事を「実体験をもとに書く」
  • タレント型
    • 話題を得るためにタレントさんとコラボしたいというクライアントに応えた。
    • どうやって契約を結ぶかお話がありました(言っていいか不明なので言わない)
    • 秘密で、価格のお話も。

印象に残った話

  • 「とにかくシンプルに分かりやすいものを作る」こと
  • 「作って終わりにしない、効果検証を必ず行う」こと
    • PV数やUU数に惑わされない。
  • オウンドメディア運営、コンテンツマーケティングでよく失敗するケースについて語られていて、それは『自己満足』
  • アイデア>分析>客観的視点のサイクル。バランスを大切に。
私の感想など

ソーシャル型(アーンドメディア)とオウンドメディア(ブログ系のメディア)の施策をつなげる部分とか、タレントを決めるときに考える効果とか、キーワード選びなど、今日全体的に触れてもらった点を掘り下げたお話も違う機会に聞けたら嬉しいなあと思いました!
って言い始めると「みんなに伝わる話」から逸れるのかな…。今回は全体を捉えた内容を聞けました。

オウンドメディアは記事型のサイトだけでなく、店舗もSNSもスタッフさんも指すものだと思うので、つながりの話なんかもあれば楽しそうだなあと。話を聞きながらワクワクしました。

ヒアリングLIVE

田口 真行さん デスクトップワークス

ヒアリングについて。前段のお話

  • 目的(ヒアリング)>企画>設計>制作>成果物という流れがある。
  • ウェブサイトはいきなり制作するのではなく上記の流れがあって作られる。
  • ヒアリングは引き出す行為。
  • クライアント自身もまだ「課題」が見つけらないまま打ち合わせるすることも。相手の「本当の課題」を引き出してあげる。

ヒアリングライブ(本当に目の前でライブ!)

  • かき氷機の販促サイト制作について打ち合わせ
    • どんな時に誰と食べるのか、どんな体験をするか、などをヒアリング
    • 手動のかき氷。一般層向け。お母さんがターゲット
    • パーツを分解できる洗いやすさや5色展開が売りという話、価格設定(他との差別化)
    • 田口さん「Consumer、Color、 Clean。これ3Cですね、3C…3C…3C…。」
  • ターゲットはかき氷をどうやって探すか
    • 田口さん「ママってウェブでかき氷機を探します?」
    • クライアント「探さないですね。」
    • 二人「・・・」
    • クライアント「でも、サイトは課長から言われたので作らないと…。
  • 予算について
    • クライアント「ウェブでものを売るのが初めてなので予算というのは決まっていない。だけど、やっぱり安く抑えたい。」
  • その場で提案
    • 田口さん「うーん。イベントを開いてはどうか、5色展開が推しなら、戦隊物とか…」
    • チラシを挟んでWEBに広げるクロスメディアの提案。イベントの提案 WEBの相談から、別の媒体まで「効果のために」媒体を広げる
    • 打ち合わせで考え始めた新しい方向性と、クライアントの考えた方向性、どちらが良いか、考えてもらう。
  • 打ち合わせは「次までにお互い考える期間を取る」ということで途中で終わり。

ヒアリングライブの捕捉、ヒアリングの座学

  • ウェブサイトはまずターゲットがいて、目的となるコンバージョンがあり、そこに向けてコンテンツが作られる。
  • まず、「誰に?」というターゲットユーザーの絞込が必要。
  • クライアントは多くの人に、たくさん買ってもらいたいという気持ちがあり、誰でもかれでもとなってしまいやすい。なので、ターゲットユーザーの絞込が大事。
  • いきなり提案くださいという相手に対して、「誰に?」というターゲットユーザーの絞込や「どうしたい?」という明確なコンバージョン設定に目が向いていない状態で提案しても意味がない。
  • ます誰に、どうしたいを引き出して、その次に提案を出す。
私の感想など

笑いました。これに尽きます。笑いがあるから話に引き込まれました。

お客さんはプロじゃないから「そもそも何が目的か」を引き出す。時間をおく。
やっぱりヒアリングを聞きながら、「完璧な流れなんてないもんなあ」って思いました。ライブだから想像通りにはいかない難しさも伝わりました。卓上の話だな。とか、この人だからできることじゃん!って思われないやり方ですね。

実演ヒアリングライブ、勉強会で初めて見ました。また見たいです!

長くなったので、前半後半に分けました。

前半だけでも濃く、深みのあるお話を想像して…いただけますかね?「提案をする大切さ、誰に何を伝えたいのか本質を知る大切さ」が見えて楽しいですよね。
後半もよかったら、お楽しみください〜!(暫しお待ちくだされ〜)

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画像:たじまちはる

この記事を書いたのは > たじまちはる

企業/事業戦略、ブランド戦略、販促計画など、根本を組立てる仕事が得意。
紙、立体物、店頭、Web、動画など幅広い分野の企画とデザインに携わっています。

デザイン(和訳:設計)を活かすためのお勉強記事を主体に執筆してます。

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