書評:絵ときデザイン史

Pocket

一部の学びや最新の知識をを得る前に、そもそも基礎的なことや全体への理解ができているかという点で自分自身に疑問が出たのでこの書籍を読むに至りました。薄くて持ち歩きやすく、読みやすく優しい。だけど良く調べられており今と過去の関連性を見いだせます。

デザインの学びのきっかけや、端的に覚えてきた知識をより深めるためにぜひ。

久しぶりに書評を書きました。サイトをリニューアルしてからは、初になると思います。
概要→オススメしたい人→内容の特徴とオススメの点→総評といった形で書いてますが、他に何か載せてほしいこと、今足りてないことなどあればmail、twitterなどからお気軽にお声かけください。

絵ときデザイン史

etoki_design_h1

デザイナーとして知っておいて損はないデザイン史の重要項目を、特徴あるイラストでわかりやすく解説しました。 グラフィックからプロダクト、工業デザイン、美術、運動、音楽、サブカルチャーまで、知っておきたい重要項目をカバー。話題の1964年東京オリンピックのデザインも紹介しています。 デザイン史の書物といえば重厚長大、難読といった従来のイメージを打ち破る、 これまでにない新しいタイプ、ライト感覚のデザイン史書籍の登場です。 歴史が苦手な人も、食わず嫌いの人も気軽に読める、画期的なデザイン史の本をどうぞ!
引用元:MdN Design Interactive

おすすめしたい人
・デザインの歴史を学びたい人
・部分的な学びを、より深めたい人
・デザインの広い分野に関わっている人
・気軽にデザインの理解を深めたい人

ご紹介

上記の概要の通りとても気軽にデザインの歴史全体を把握できる良書です。
私的にオススメの点を3点にしぼって記載します。

-1800年代以前から、現代までのデザインの広い歴史を知れる
-掘り下げて調べられた文書と、端的な学びでは知れない知識がある
-見た目だけではなく、活動、考え方まで読める

1800年代以前から、現代までのデザインの広い歴史を知れる

etoki_design_01

写真の通り1850年から2000年の年表が書籍の冒頭にあります。この通り広い歴史を学べます。各内容、見開き1ページ内に図付きでまとめられており、とても読みやすかったです。

この国でこの年代にあったこと、あっちの国であったこと…と、同年代で似た活動がおきていることもあります。活動と活動の繋がりが見える事も多々あります。

今のデザインに、過去の歴史がどういった影響をもたらしているかを見る事もできると思いますし、現在「こういうものだ」と思っている活動(例えばCIなど)が本来どういったものなのかも読み取れます

掘り下げて調べられた文書と、端的な学びでは知れない知識がある

etoki_design_03

前述した通り、「こういうものだ」と思ってるものも歴史を追えば本質に気づけます。

CIの捉え方には差があり、驚く事にCIはロゴのことだ、とか、BIはブランドのロゴのことである…というようなお話もありますがよくよく学べば全く違うということに気づけます。この本を参考に書いた記事→CI=ロゴのことではない。歴史に触れつつ掘り下げます。

また、CI自体は1950年代にはやってますが、1900年初頭にドイツの建築家ペーター・ベーレンスがそういった活動をしていた。とも記載されています。そもそも何が本来の内容であり、どうすれば効果的に役割を果せる考え方なのか、気づかせてもらえます。

これは、複数の書籍や知識を元にしないと書けない内容だと思います。

見た目だけではなく、活動、考え方まで読める

etoki_design_04

画像が暗くてすいません…。次回からがんばります。

ええと、今度はクリエティブコモンズのページを記載しています。何が言いたいかというと、本書では芸術家や時代だけでなく、こういったプロジェクトも載せているのです。このあたりは比較的新しい活動なので、最近の内容に対しても理解を深めて行けることも魅力です。

総評:手軽に深い内容が読める故に、使い道も色々想定できる良書

何度も重複していますが非常によく調べられているので、内容としては深いはずです。深い内容のものがこんなに小さくまとまって、どこでも読めて、必要な部分だけ引き出すことも可能なのです。

他の書籍と合わせて見返すにもちょうど良いし、色々な視点で使い道を考えられます。

私的には全体のことを学べた上で、知ったつもりでいたこと、知らなかった繋がりが見えた事が一番の収穫でした。皆さんが楽しめますように!

Pocket

たじま ちはる

画像:たじまちはる

マーケティングとデザイン

ヒトとモノとコトを最適な形で伝えるために、戦略、マーケティングを理解し、目的を達成するためのデザインを行う。
デザインの設計という面を伝えること、デザインとその周囲をつなげていくために、登壇や個人メディアでの発信にも力を入れている。