なぜ色が透けるの?オーバープリントの知識で着地点を見据えたデザインを!

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今回はDTPやグラフィックデザインを行う方、印刷業に近い方に向けて記事を書いてみました。
オーバープリントのクセを理解すれば、着地点を考えたデータ作成や印刷会社さんとの連携も行いやすくなるかと思います。

今回の記事で言う印刷はオフセット印刷という方法を指しています。
印刷所で紙媒体を刷る場合はオフセットが現状の主流です。また少量を刷る場合などに使われるオンデマンド印刷も今回の指定で問題なく刷れます。
指定を理解していて損はないはず!

ここでは「オーバープリントの説明」に加え知らない人も多い
「刷られる色の順序と理由」
「同色版は影響無し(白以外)」
「トラッピング処理で見当ズレを防ぐ方法」
「出力機で試し刷りする方法」
「白のオーバープリントを消すスクリプト」
についても記載してますので、知識のある方も良かったらお楽しみください!

 

オーバープリントはミスを防ぐ大切な設定

オーバープリントの設定を行うことで、印刷工程で出る隙間(下記)を防ぐことができます。
overprnt-01
この隙間が「できる細かい理由」と「どう防ぐか」解説していきます。

なぜ隙間ができてしまうか理由を紐解く

前段としてどう刷られているか記載します。印刷の際、RIP(Raster image processor/詳細は下記)を介して印刷に適したデータに変換します。
それにより【C(シアン)/M(マゼンタ)/Y(イエロー)/K(ブラック)】の4色を掛け合わせて様々な色の表現を行えるようになるというわけです。

印刷の際、位置調整や紙の移動、伸縮により4色の版がずれて隙間ができることがあります。(見当ズレと呼ばれます。) これを防ぐため、色の上に重ねて色をのせるオーバープリントを行います

RIP(Raster image processor)
名の通りですがラスター(ドットで表現する)イメージに画像を変換します。 これにより網点と呼ばれる点の集まりを作り、【C(シアン)/M(マゼンタ)/Y(イエロー)/K(ブラック)】各種の色を用いて濃淡を出したり掛け合わせで色の表現ができるようになるのです。(もっと細かい話はご要望があったら書きます。)
色の印刷順序 粘度が高い色から印刷されます。
薄い色は粘度が弱く、濃い色(粘度が高い)を上に刷るとインキはがれ等の影響を受けてしまいます。 よって、基本的にはブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順になりますが面積と影響を予測して順序を変えることもあるそうです。

色の上に色を刷る事で隙間を無くす、オーバープリント

細かいオブジェクトほど検討ズレの隙間が気になります。その一例が文字です。 そのため、ほとんどの印刷会社でRIPを行うときに黒100%をオーバープリントに変えます。デザイナー目線ではデータ上で個々の文字にオーバープリントをつけないで済み、ミスも防げる大切な処理です(下記イメージ)。
overprnt-02
ただ一つ問題なのが別の色と重なると影響を受けるという点なのです。面積広範囲の黒100%オブジェクトは透けているように見えてしまいます。

逆説的に言うと、個々の文字(黒100%)にオーバープリントを設定しないで済むが、少数の面積広範囲(黒100%)オブジェクトのオーバープリントを回避させる必要性があります。

色や状態によって違うのでイメージ図を載せました。

1.オーバープリントをしないと検討ズレで隙間ができる可能性がある
2.白のオブジェクトにオーバープリントをかけると印刷で消える
3.オーバープリントが掛かったオブジェクトは順序関係なく他の色の影響を受ける。
4.同じ色同士は同じ版で刷るので影響を受けない(乗算とは違う。)
5.オーバープリントが掛かったオブジェクトは順序関係なく他の色の影響を受ける。
6.黒のオブジェクトは影響を感じさせずらいが、広範囲になると影響が目立つ。

overprnt-05

オーバープリントのミスはデザイナーが防ぐべき

オーバープリントの設定を行うことで、印刷工程で出る隙間を防ぐことができます。

印刷会社へ「白が消えた!黒が透けた!」と怒るデザイナーを見かけるのですが、オーバープリント設定箇所の決断はデザイナーの仕事です。 「デザイナーの頭の中を想像して印刷会社でどうにかしろ」というのは難しすぎるし、ミスを誘発する行為です。クレーマーにならないよう完全データ目指してオーバープリント設定を行いましょう。

黒の透けははリッチブラックなどで防ぐ

黒100%が透けるなら、黒100%をやめたらいいのです。
その方法の一つに「リッチブラック(黒にCMYの3色を混ぜた深みのある黒)」があります。
面積広範囲(黒100%)はこの方法でオーバープリントの透けを防ぐことが多いです。

どれだけ混ぜるかは場合によって変わります。 例えば(C20%、M20%、Y20%、K100%)とか…。あまり%数が多いとインクがモリモリで紙への影響などから問題が起きます。 (大体の紙が合計値300%以下だと裏写りなど防げるかと。) リッチブラックも話すと長くなるのでここで割愛します。

他にあっさりとした防ぎ方だと「黒100%+CMYのどれかを1%」「黒100%+CMYそれぞれを1%」「黒99% 」という方法でも防げます。簡単ですね。

オーバープリント設定が継続される問題

CS-CS5のIllustratorで一度オーバープリントの設定したらそのまま継続される現象が起きるようです。すべてのオブジェクトで設定が残るので解除してください。
下記の通りウィンドウからチェックを外せばOKです。

Illustratorのツールバー」→「ウィンドウ」→「属性」より、チェック・設定できますよー(下記の図のとおりです。)
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カラーの重なりはトラッピング処理で

カラー版で見当ズレ(隙間)が怖い場合はトラッピング処理を行いましょう。
以外と知らない人が多いのですが、隙間分のフチを作りオブジェクト同士を少し重ねる方法です。
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やり方
ツールバー→ウィンドウ→パスファインダーでパネルが出てきたら、下記のトラップより設定できます。
細かい設定はそれぞれかと思うのでご自由に!
スクリーンショット 2016-03-06 13.57.58
ツールバーの効果→パスファインダ→トラップからも設定可能です。

スクリプトや出力機で確認など校正に使える話

オーバープリント&検飯

ツールバーの表示→オーバープリントプレビューにてオーバープリントの確認が行えます。
その機能と検版(データ同士を重ね合わせて、変わったところを検出してくれる機能です。)を合わせてオーバープリントプレビュー「前」「後」の2ファイルを検査します。目視より確実かと思います。

オススメは「他人のデータを引き継ぐ時」「途中で誰かが作業をしてくれた時」などです。
私は細かいデータを他人が触ったら必ず検査しています。思わぬ箇所が変わっていることも…。

ありがた〜いフリーの検版アクションはこちら。私も使ってます。
「ファイル検版」アクション [Photoshop] 作者髙瀬勝己様

Illustratorの設定で出力機で予測を立てれる

以外と知らない人が多いのですが印刷設定でオーバープリントがどのように印刷されるか確認を行えます。

オススメは面積広範囲(黒100%)オブジェクトがある際、完成予想などです

プリント設定(ダイアログ)で詳細を選び、印刷→オーバープリントの設定をシュミレートに変えます。(白のオーバープリントも破棄しないで確認した方がいいかもです)
スクリーンショット 2016-03-06 14.29.16

 

白のオーバープリントだけ消すスクリプト

白オブジェクトにオーバープリントは大きなミスの元なのでぜひチェックを。 こちらのスクリプトは、白のオーバープリントを解除してくれます。 本当に便利で作っていただいた方には感謝の気持ちでいっぱいです! (ごく稀に反応しない事例を見たことがありますので別途確認を)

…今回も結構長くなっちゃいましたね。

こんなに長くなるとは予測しておらず。長く活かしてもらえる記事になればなあと頑張ってみましたが、読みづらかったかなあと反省しております。
今後は連載形式にすべきかしら…書きたいことが沢山あるのに手が追いつきません…。

兎にも角にも読んでくださり、ありがとうございました!

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